公開日 2022.11.02
令和4年度の本部町認知症ケアパス
認知症ケアパスとは「認知症の人の状態に応じた適切なサービス提供の流れ」をまとめたもので、市町村が必要に応じて、認知症地域支援推進員が中心となって作成することになっています。
沖縄県介護保険広域連合29市町村の内、13市町村で認知症ケアパスを作成しており、令和4年度中に2町村が作成予定となっています(令和4年8月現在)。8~24頁の冊子にしている所が多いのですが、本部町はA2判(594㎜×420㎜)のポスターカレンダーにしました。なぜ、この形にしたのか?、本部町認知症地域支援推進員にお話を伺いました。
本部町認知症地域支援推進員のお2人。左から澤岻秀人さん、橋本聖子さん
■ なぜ、「ポスターカレンダー」にしたのですか?
【澤岻さん】 認知症の正しい理解を広め、早めの相談ができる地域を作っていけるように、地域住民の皆さんに周知するにはどうしたらいいかを考えました。住民のお宅を訪問すると介護予防のパンフレットなどが貼られているのをヒントに、シンプルで大切なことが分かりやすく伝わるように「ポスターカレンダー」という形にしようと考え、令和4年6月に完成しました。
【橋本さん】 まず、「認知症の相談先である地域包括支援センターの周知」を図るようにしています。また、「本人の様子」や「本人・介護者の気持ち」、そして「対応のポイント」などは挿絵や分かりやすい言葉の言い回しにこだわっています。ご本人を始め、介護者や周囲の方が早めに気づいて相談できるように工夫して作りました。
■ 認知症ポスターカレンダーの使用方法や今後の取組みについて、教えてください。
【澤岻さん】 「認知症の正しい理解」に向けて、地域住民の皆さんへの普及・啓発的な使い方をしています。地域包括支援センターに相談に来ていただいた時には、医療・介護資源や地域資源をまとめた資料を使いますが、その際にもポスターカレンダーで認知症の進行や今後の流れなどの概要を説明しています。
【橋本さん】 認知症ポスターカレンダーは、地域住民の皆さんに地域包括支援センターや社会福祉協議会、もとぶ文化交流館、町内公民館で無料配布しています。その他にも病院、薬局、郵便局、小さな商店(まちやぐぁー)に貼ってもらったり、公民館に置いてもらったり、区長や書記の協力で欲しい方へ配布、また民生委員にも配布をお願いしています。
【橋本さん】 今後は、地域の通いの場を訪問し参加者への周知を行っていこうと計画しています。また、認知症ケアパスとしての認知症ポスターカレンダーの評価を行い、本人・家族・地域住民の皆さんにとって、より分かりやすく身近に感じられるものに更新していきたいと考えています。1か月単位のカレンダーにして、各地域にある行事予定や住民の写真を掲載したらもっと興味を持ってもらえるかなと思いますし、その中で認知症の正しい知識等を学べるような「認知症カレンダー」を作っていきたいと思います。今、私たちは地域に種まきをしている時期だと思って活動しています。長期的な視点で本部町の認知症ケアパスを活用していきたいと思います。
《取材感想》
認知症ケアパスをこれから作成する市町村の担当者、見直しを予定している方々に、本部町の「A2判サイズ1枚のポスターカレンダー」の認知症ケアパスをご紹介しました。一見、ユニークに見えますが、「誰を読み手として」「誰がどういう場面で使用するか」をよく考えた結果、このスタイルになったことが取材して分かりました。もっと良いものにすべく、見直しをしていくそうですので、次の版も期待しています。
(広域連合・渡慶次)