公開日 2022.11.30
スーパーに到着。これから買い物に向かいます
本部町では《豊川、具志堅、健堅、瀬底》の4地区で高齢者の買い物支援を行っています。
今回は、買い物支援の取組みを平成29年6月に開始して今年(令和4年)で6年目を迎える豊川区の「とよかわ・お買い物便」を取材しました。
「とよかわ・お買い物便」は、毎月第1・3水曜日に運行。前日までに予約が必要で、豊川区民ならどなたでも200円で利用できます。区長の兼城昌一さんが町社会福祉協議会の外出支援車両「地域買物安心ふれあい号」(10人定員)を運転し、書記の佐々木愛実さんが買い物の付添をしています。午前9時に公民館を出発、商店→スーパー(4ヶ所)→銀行を巡り、お昼までに皆さんの自宅までお送りしています。現在、1日4~6名、85歳~97歳の方が利用されているそうです。
この日の利用者は4人。思い思いに買い物される皆さんと、書記の佐々木愛実さん
スーパーごとに買う物が決まっているそうです
次のスーパーに向かう車内
立ち寄った商店やスーパーでは、それぞれ20~30分程度、自由に買い物をします。合計5軒のお店を回りますが、各々の店で買うものが決まっているそうです。
兼城区長と佐々木さんが買い物に付添い、重い荷物を運ぶ手伝いをされていました。
利用者のお一人、當山さん(97歳)は、「月に2回の買い物支援のお陰でヤーグマイせず、足腰が元気でいられる。重い物を持つのは大変なので自宅まで送迎してくれて助かっているよ。みんなとゆんたくしながらピクニックに行くみたいで毎回楽しみにしている」とおっしゃっていました。
兼城昌一・豊川区長
■ 兼城区長に「買い物支援」を始めたきっかけや運営の工夫、今後の課題などを伺いました。
【兼城区長】 豊川区は市街地のスーパーまで遠く、近所に商店がないため、買い物をする機会や外出する機会も減ってきていました。月に2回、公民館で地域食堂を開催しており、そこに参加される方々からの要望があって前区長の時から「買い物支援」を行っています。現在は移動販売車にも来てもらっており、地域食堂開催日に移動販売車、別の日に買い物支援を行っています。
豊川区の買い物支援の特徴は、2人体制で自宅の玄関まで送迎すること。荷物を持つ手伝いをしたり、転ばないように見守ったりしています。利用される皆さんに「安心」を届けるのが一番大切だと考えています。
また、町内の他の地区でも買い物支援を行っていますが、ほとんどは目的地が1ヶ所で、豊川区のように利用者の要望で多くのスーパーを巡っている地区はないと思います。
豊川区の広報紙や生活支援コーディネーターの広報紙で買い物支援のことを紹介し、利用者の募集をしているので、地域で暮らす皆さんに気軽に利用してもらいたいです。
《取材感想》
「買い物支援」について検討している市町村は多いと思います。
本部町では4つの地域で買い物支援を行っています。豊川・具志堅・瀬底の3地区では社会福祉協議会の外出支援車両を区長が運転、利用料金200円はガソリン代にしています。健堅区では民泊事業を営む合同会社が地域貢献として無償で車両と運転手を提供しているそうです。
今回取材した本部町豊川区の買い物支援の取組みが、市町村の皆さんの参考になれば幸いです。
取材にご協力いただいた本部町豊川区の皆さん、生活支援コーディネーターの比嘉さん、ありがとうございました。
(広域連合・渡慶次)