公開日 2022.12.22
介護予防において「フレイル予防」は重要です。新聞やテレビ等でも「フレイル」や「フレイル予防」という用語をよく見かけるようになりましたが、介護予防事業を担当している皆さんは、住民にどのような説明をしているでしょうか?
介護予防の第一原則は、「高齢者自身が健康増進や介護予防について関心を持ち、主体的に取り組むこと」です。介護予防事業担当者の役割は、高齢者の関心やヤル気を高め、介護予防活動に取り組む高齢者が増えるよう働きかけること、とも言えます。
今回は、「フレイル予防」を中心に、介護予防について分かりやすく解説した動画資料をご紹介します。介護予防事業担当者の学習に用いることもできますし、各コンテンツは15分前後と短いですので、住民の皆さんに視聴していただくのにも良いと思います。ぜひ、皆さんの市町村における介護予防事業にご活用ください。
■ 動画を作成・公開している東京大学高齢社会総合研究機構について
ご紹介するのは、すべて東京大学高齢社会総合研究機構が作成し、Youtubeで公開している動画です。
東京大学高齢社会総合研究機構は、少子高齢化を基盤とする超高齢社会に対して、学際的・総合的・実践的な課題解決型実証研究(アクションリサーチ)を行う研究機構です。機構長の飯島勝矢教授を中心に、「地域活力のある、及び多様性のある超高齢社会の実現」に向けて国内外に情報発信もしています。
また、千葉県柏市と共同で2012年から市内在住の高齢者(自立/要支援)約2,000名を対象とした大規模高齢者コホート研究(柏スタディ)を行い、住民同士でフレイルの危険度をチェックし合い、住民が主体となって行うフレイル予防活動を実践しています。その取り組みは全国の自治体に導入され、全国1,747のうち、25都道府県93市区町村(令和4年12月1日現在)の自治体で実践されています。(沖縄県内では北中城村が導入しています)
飯島研究室 – いつまでも元気でいるために、だから今からフレイル予防 (u-tokyo.ac.jp)
■ 動画のご紹介 ※各動画のタイトルをクリックすると視聴できます。
1.「フレイルを予防しよう!」(2018年公開)
飯島勝矢「フレイルを予防しよう!」─東京大学高齢社会総合研究機構 (13分)
「健康寿命」「フレイル」「サルコペニア」などの基礎知識、フレイルの危険性をチェックする方法、フレイル予防に重要な「栄養・口腔」「運動」「社会参加」の3本柱を実践するためのポイントについて説明しています。「フレイル予防」について全般的に学ぶことができます。
フレイル予防活動の動画集「ダイジェスト編」
2.「フレイル予防活動の動画集」(2021年公開)
フレイル予防について、6本の動画に分けて詳しく、且つ、分かりやすく解説されています。
【5分】 1~5の内容をコンパクトにまとめた動画です。「フレイル予防」を初めて勉強する時や、介護予防普及啓発事業で「フレイル予防」のさわりを説明する時に使いやすいかも知れません。 | |
1.基礎知識編 |
【11分】 フレイルの基礎知識、フレイルチェックの内容、フレイル予防の方法、住民が行う「フレイルチェック活動」などについての説明。高齢者が自身のフレイルリスクに気づき、主体的にフレイル予防に取り組むことの必要性が理解できます。 |
2.栄養編 |
【18分】 フレイル予防に大切な食生活についての説明。青壮年期の「メタボ対策」から、高齢期には「痩せ・低栄養対策」にギアチェンジが必要です。これまでの食生活を見直すために役立つ内容です。 |
3.口腔編 |
【12分】 噛む力や嚥下、滑舌など口周りの機能が低下した状態を「オーラルフレイル」と言います。オーラルフレイルの基礎知識、チェック方法、日常生活に取り入れやすいオーラルフレイル予防法などが紹介されています。 |
4.運動編 |
【15分】 運動不足や活動性の低下により筋肉量が減少し筋力低下が生じた状態を「サルコペニア」と言います。サルコペニアの基礎知識、サルコペニアを予防するための運動や日常生活について解説されています。不活発な生活によるフレイルを予防するために、運動や活動的な生活を送ることの重要性を知ることができます。 |
5.社会参加編 |
【11分】 人や社会とのつながりが減ってしまうことがフレイルの最初の入り口です。社会参加の減少がきっかけとなり、日々の活力が低下し、食欲低下、体力低下など心身の状態が変化してフレイル状態に(それが進むと要介護状態に)なる人が多いと分かっています。社会参加の形は人それぞれ、自分にあった社会とのつながりを見つけることが大切です。 |
※ この動画集を利用する際の使用申請について・・・個人が使用する場合は自由ですが、自治体・団体・企業などは「動画集使用申請」が必要です。詳しくは次をご確認ください。→ フレイル予防活動を推進する東大IOG発案のコンテンツ紹介
《感想》
介護予防は、高齢者自身が介護予防やフレイル予防に関心を持ち主体的に取り組むことが大切です。そして、市町村の事業担当者は住民の関心を高め、効果的な介護予防・フレイル予防の方法を伝えていくことが重要な役割になります。今回ご紹介したおススメ動画は、そのためにとても参考になると思いますので、ぜひ、ご視聴いただきたいと思います。
今後も、市町村の取り組み実践だけでなく、おススメの動画やホームページの紹介もしていきたいと考えています。
(広域連合・渡慶次)